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センター長からのメッセージ

ご挨拶

  政策・社会実践と科学・技術

 科学者と当該問題の利害関係者が相互に協力して計画し、それを実行することを意味して、「トランスディシプリナリー」という言葉が使われています。いくら科学が進んでも地球環境問題は解決できず、災害による被害も減らないという反省に立って、新たな科学・技術のあり方として提案されている概念です。私はこの考え方は依然として不十分であると考えております。なぜなら、この概念はあくまでも社会と科学・技術を分けた考えに基づいていますが、本来は一体として捉え、科学・技術から政策・社会実践へ、また政策・社会実践から科学技術へ、知識や経験を自在に取り廻す能力を養う必要があると考えているからです。

 JICAのご支援を得てICHARMが政策研究大学院大学(GRIPS)と共同運営している「災害管理政策プログラム」の修士課程には、各国から選抜された十数名の中堅の政府機関の実務者が集っています。今年9月に同課程を修了したマラウィ国からの学生は、社会経済分析や隣国との国際調整経験のある同国の災害管理部局の所属でした。彼は同プログラムで社会経済学的な理解を深め、気候の変化による洪水形態の変化のアセスメント手法を学びはじめ、その結果を国内河川および越境河川の洪水管理政策に具体的に反映する手法についての優れた研究を行いました。帰国後すぐにその結果を発表する場を得たところ、国際機関の強い支持を得て、プロジェクト化が決まったとの連絡を頂きました。

 科学・技術と政策学とを一体として習得して、社会的価値を創造する能力を有する政策立案や社会実践の指導者の育成が極めて重要であると考えます。これこそICHARMの教育使命として自覚を新たにして、GRIPSとJICAという素晴らしいパートナーに恵まれている教育環境を十分に活かして、一人でも多くの素晴らしいリーダーの誕生に一層努力させて頂きたいと存じます。

2017年10月31日
水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM) センター長
小池 俊雄

 

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