2007年2月7日〜2月9日の間、マレーシアのクアラルンプールにおいて『EAST & SOUTHEAST ASIA REGIONAL SEMINAR ON FLOOD HAZARD MAPPING, 2007』を国際協力機構(JICA)、Department of Irrigation and Drainage(DID), Malaysiaとの共催で開催しました。このセミナーは、国際協力機構(JICA)の委託を受けてICHARMが実施している地域別「洪水ハザードマップ作成」研修のフォローアップの一環です。これまで3回実施している同研修の研修員を各国から招待し、研修終了後の洪水ハザードマップ作成・普及に関する活動報告と、各研修員が業務を実施していく中での成功事例や直面している問題点等について知識・経験の共有と問題解決のためのディスカッションを行うことを目的としています。また、上記研修に対する意見や要望も取り集め、次回からの研修をより効果的なものに改善することも併せて目的としています。 セミナーへの参加者は事務局と共に、研修参加国である中国、ベトナム、カンボジア、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ラオス、タイから計17名の研修生の他、共催機関であるDIDからも10数名の技術者が参加しました。さらに、Asian
Institute of Technology(AIT)からManzul Hazalika氏、International Centre for Integrated
Mountain Development(ICIMOD)からArun B. Shrestha氏を講師として招き、ご講演を戴きました。 セミナープログラムの概要 各研修生からの活動報告によると、中国、タイ、マレーシアではすでに洪水ハザードマップの試験地区が選定され、実際にシミュレーションによる浸水想定区域図および洪水ハザードマップが作成されていました。また、フィリピンでは災害危険区域に住む住人へのインタビューや会合を通して、地域住民と共に住民のニーズにあったコミュニティーベースの洪水ハザードマップ作りが試みられていました。また、同様の試みはマレーシアにおいても実施されています。一方、氾濫計算を行うための地形データが未だ整備されていない地域や、住民の災害に対する意識が低い地域も多く、洪水ハザードマップ作成に当たって依然多くの課題が残っていることが明らかとなりました。また、洪水ハザードマップが作成されている地域においても、住民や地主の反対、法の不整備により普及はおろか公表することすら難しい場合があり、フィリピンやマレーシアで行われているような、地域住民と共に適切な洪水ハザードマップを作成していく方法も有効な手法の1つであると考えられます。また、マレーシアにおいては、住民へのアンケートにより52%の人々が洪水時に最優先で守るべきものとして人命ではなく自家用車を挙げるなど、日本との考え方の違いも浮き彫りとなりました。 研修生からのICHARMに対する意見として、氾濫計算やGIS等、洪水ハザードマップ作成のための技術的なサポートを望む声が多数寄せられました。 ・プログラム及びプレゼンテーション資料はこちらをクリックしてください。 セミナーの様子 |
Copyright © 2013 Public Works Research Institute
|