四川大学の水利水電専門家の土木研究所訪問
平成16年2月9日、中華人民共和国 四川大学より、曹叔尤教授、丁晶教授、張林教授が土木研究所を訪問しました。これら3名の教授に、中国西南地方特に四川省における洪水予測、ダム水理、土砂管理の現状と四川大学における研究を紹介していただきました。
曹叔尤教授の所属する高速水力学国家重点実験室とは、中国の高速水力学のCOEと言える四川大学内の研究所で、国家を挙げて重点的に土砂管理を含むダム水理の研究を推進しています。四川省は長江の上流域に位置し、特にこの地域の水資源の研究を行っています。2260年の歴史を持つ治水利水頭首工の都江堰の水理模型実験もこの実験室で行っています。
土木研究所内に設置予定のユネスコセンターとの連携の可能性も議論し、今後、より緊密に情報交換を進めることになりました。

右から
丁 晶(Prof. Ding Jing)
水利水電学院 教授
張林(Prof. Zhang Lin)
水利水電学院 教授
水利水電科学研究所 副長
曹 叔尤(Prof. Cao Shu-You)
高速水力学国家重点実験室 主任
2月10-11日には国土交通省北陸地方整備局黒部河川事務所を訪問し、進藤裕之所長に黒部川流域の総合土砂管理、宇奈月ダムの排砂施設などを説明していただきました。四川大学大学院で新たに開設する港湾コースおよび既存の土砂管理コースで紹介するに適した先進事例であり、曹教授の授業の題材としたいとの感想を述べていました。
文責:吉谷純一(上席研究員)、敖天其(元JSPS特別研究員、現山梨大学)