ICHARMでは、低平地での大規模な氾濫を迅速に予測するための手法として、降雨流出氾濫モデル(Rainfall-Runoff-Inundation: RRI Model) という新たな数値モデルの開発を行いました。このモデルは、流域に降った雨が河川に集まる現象、洪水が河川を流下する現象、河川を流れる水が氾濫原に溢れる現象を流域一体で予測するモデルです。
このモデルを用いれば、例えば気候変動の予測情報をもとに、様々な地域・気候帯で、今後どのように洪水リスクが変化するかを分析できます。またIFASと同様に、衛星による地形、土地利用、降水情報などを応用することにより、大まかにでも世界の大規模洪水を準リアルタイムで推定できるようになります。より詳細な説明はこちらをご覧ください。
なお本技術は、土木学会論文賞(2014年)、第15回国土技術開発賞優秀賞(2013年)を受賞するとともに、開発者に文部科学大臣賞(若手科学者賞)(2013年)が贈られています。
2016年5月から、RRIモデルをICHARMホームページで無償公開しています。
RRIモデルのダウンロードはこちらから(RRI modelダウンロードサイト)
ICHARMでは、RRIモデルをベースに、中小河川におけるリアルタイム水位予測モデルの開発に取り組んでいます(PRISM)。この成果の一つとして、RRI専用グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(RRI-GUI)について、一層精度の高い国内データや新たな機能を追加し、操作性を向上させた改良版を作成しました。
今回追加したデータ及び機能は次の通りです。
新しいRRI-GUIは、RRI modelダウンロードサイトからBetaVersionフォルダの“RRI-GUI_1_4_2_7_
GUI_Beta.zip”ファイルをダウンロードすることで入手いただけます。