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Training

「洪水ハザードマップ作成」研修・フォローアップセミナー

Flood Hazard Mapping 2006

Report of 2006's Activity

2006年10月30日から2006年12月1日にかけて東・東南アジア地域別「洪水ハザードマップ作成」コースを国際協力機構(JICA)の協力により実施しました。本研修は世界気象機関(WMO)の支援により設立された台風委員会との連携のもと、2004年から2008年までの計画で実施しているもので、本年度で3回目の実施となります。

本研修の目的は、洪水ハザードマップ作成とその普及に必要な技術や知識を習得するだけでなく、研修において得られた技術や知識が帰国後に同分野に携わる人材に共有されることです。そのため、研修終了後のフォローアップにも力を入れています。

研修参加者は、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイ、フィリピン、ラオス、中国、ベトナム各国から2名の計16名です。

研修カリキュラムは主に講義、演習、自主作業、現地調査、グループディスカッション、プレゼンテーションに分類されており、各カリキュラムの概要は以下のとおりです。

講義:日本や世界における洪水の現状や洪水ハザードマップの現状や、洪水ハザードマップ作成に必要なデータ取得のための技術について日本のみならず海外の研究機関等から講師を招いてご講義をいただきました。

演習:洪水ハザードマップ作成に必要な流出解析や氾濫解析、GISの技術を習得するため、タンクモデル、貯留関数法を用いた流出解析演習、米国工兵隊提供のHEC-RAS,HEC-GeoRASを用いた氾濫解析演習、ESRI社提供のArcGIS9.1を用いたGIS演習を行いました。

自主作業:各演習で習得した技術を用いて、サンプル地域における洪水ハザードマップを研修生自身が作成しました。

現地調査:庄内川河川事務所、三重河川国道事務所の協力のもと、庄内川、宮川流域の洪水被災箇所とその復旧状況を見学しました。また、伊勢市役所の協力のもと、研修生自身が洪水ハザードマップを持って街を歩き、住民へのインタビューを行うことにより危険箇所の指摘やマップの有効性などを認識する「タウンウォッチング」を行いました。なお、この「タウンウォッチング」は研修開始直後にも茨城県にある小貝川で行っており、様々な講義や演習を受ける前と受けた後にタウンウォッチングを行うことにより研修で得た知識や技術の確認ができるようにしています。

グループディスカッション:タウンウォッチングは16名の研修生を4班に分けて行っており、タウンウォッチング終了後に各班で問題点の整理や解決策の提案等について議論を行いました。

プレゼンテーション:本研修では3つのプレゼンテーションを行いました。一つ目は、研修の最初に各国の洪水被害の現状や洪水ハザードマップの現状について発表が行われました。2つ目は、タウンウォッチング後のグループディスカッションの結果についてグループ毎に発表が行われました。3つ目は研修の最後に本研修のまとめと自国における洪水ハザードマップ作成についてのアクションプランについて各研修生から発表が行われました。

本研修終了後にも、ICHARMと研修参加者との人的ネットワークを維持し、情報交換を行うと共に、来年2月にはマレーシアのクアラルンプールにおいて情報交換と議論を目的とした洪水ハザードマップセミナーを開催する予定です。

最後になりましたが、お忙しい中ご講義をいただきました講師の方々、現地調査でお世話になりました事務所の方々にお礼を申し上げます。

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