世界銀行職員を対象としたオンラインセミナーを開催

 令和6年1月30日、ICHARMは世界銀行職員を対象として、ICHARMの研究および活動内容を紹介するオンラインセミナーを開催しました。これは、昨年11月20日に、クマール・ジャー グローバル水本部長(Mr. Saroj Kumar Jha, Global Director, Water Global Practice)が土木研究所を訪問されて意見交換を行った際に先方から提案があり、この度実現したものです。世界銀行からは29名の参加がありました。
 セミナー冒頭では、藤田光一土木研究所理事長およびジャー水本部長から開会のご挨拶を頂きました。ジャー水本部長からは以下のご発言がありました。

  • 世界は、水不足、水へのアクセス、水資源管理のために、より革新的で、より科学的な知識を求めている。
  • 世界銀行の新しいビジョンは「To create a world free of poverty – on a livable planet」であり、そのために世界銀行は途上国に対して水不足、水関連災害に対応できる強靭性を持つよう支援している。
  • 世界銀行は、これまでも各国に対して年間50億ドルの融資を行っており、水関連のプロジェクトへの融資は増大している。しかし、これまでと同じことをするのではなく、これまでとは異なる革新的な科学技術を世界銀行の仕事に取り入れたい。
  • 今回のセミナーはICHARMとのとても重要なパートナーシップであり、水分野においてより強固となることを期待している。

 続いて、森グループ長からICHARMの活動概要について、各研究者からダム操作最適化を含む水文解析や政策決定者への意思決定支援に関する研究内容について、それぞれ紹介しました。
 議論セッションでは、地上データが乏しいアフリカでの衛星データ活用やダム間連携の最適化、アフリカの大学での能力開発、世界銀行とICHARMとの調達手続きの新たな枠組みについて議論しました。
 最後に、アイリーン・ブルケ グローバルリード(Ms. Eileen Burke, Global Lead, Water Resources Management)および小池ICHARMセンター長から閉会のご挨拶を頂きました。ブルケ グローバルリードからは以下のご発言がありました。

  • ICHARMが取り組んでいる問題の多くは、より良い災害リスク管理のための意思決定支援システムの構築や貯水池のリアルタイム運用による水資源管理を支援するために、世界銀行が優先的に取り組んできた問題でもある。
  • セミナーでのチャットでの質問の多さは、私たちの同僚がICHARMが行っている仕事に対して非常に興奮していることを浮き彫りにしている。なぜなら、それは私たちの顧客である多くの国で応用できるからである。
  • 今回のセミナーが、世界銀行とICHARMのさらに大規模なコラボレーションの始まりになることを心から願う。

 セミナー後、早速、世界銀行の個別プロジェクトへの技術的支援(ナイジェリアでのプロジェクトなど)への要請があり、ICHARMとしては本セミナーをきっかけに世界銀行との連携を強めていきたいと考えています。

クマール・ジャー本部長の開会挨拶 アイリーン・ブルケ グローバル・リードの閉会挨拶
クマール・ジャー本部長の開会挨拶
アイリーン・ブルケ グローバル・リードの閉会挨拶
参加者集合写真 参加者集合写真
参加者集合写真
参加者からの質問に答える小池センター長とラスミー主任研究員 参加者からの質問に答える小池センター長とラスミー主任研究員
参加者からの質問に答える小池センター長とラスミー主任研究員