修士・博士課程卒業生・在校生向けのフォローアップセミナーを開催

 ICHARMは、政策研究大学院大学(GRIPS) および国際協力機構(JICA) と連携して、修士課程「防災政策プログラム水災害リスクマネジメントコース」および博士課程「防災学プログラム」を実施しており、これまでに計199名の卒業生を輩出しています。これらの卒業生へのフォローアップ活動として、2007年から年1回セミナーを実施しています。

 第16回目となる今回は、在校生のキャリア形成支援も目的として2月13日にオンライン形式で開催し、20か国41名の卒業生、12か国23名の在校生が参加しました。(プログラム:別紙参照

 宮本主任研究員の総合司会のもと、冒頭で来賓のJICA筑波の高橋亮所長、GRIPSの大田弘子学長(ビデオメッセージ)からご挨拶を頂くとともに、主催者を代表して開会挨拶を行った土木研究所の藤田光一理事長から、能登半島地震への土木研究所の対応を踏まえて「全ての災害には新しい側面があり、災害から教訓を学ぶことでより賢く次の災害に対処することができる。水災害についても同様である。このセミナーで新たな有益な刺激を得ていただきたい」とのメッセージが参加者に贈られました。

 続いてユネスコのアブ・アマニ水科学部長より「Intergovernmental Hydrological Programme (IHP IX 2022-2029 (ユネスコ政府間水文学計画 第9期戦略計画2022-2029)): Science for a Water Secure World in a Changing Environment」と題した基調講演をいただきました。アマニ部長は、水はSDGsの中心に置かれるべきであり、SDGsやパリ協定などの国際約束をつなぐ役割を有しているとの見解を述べたうえで、来年50周年を迎えるIHPが現在第9期戦略のもとで5つの優先課題と23つの横断的課題に取り組んでいること、またユネスコがアフリカで洪水・干ばつの早期警報システム整備を進めていることを紹介しました。

 次に、参加者は4つのグループ(災害リスク軽減、土砂、水文、気象)に分かれ、卒業生の中から事前に指名されたファシリテーターのもとでIcharm Alumni MEta Knowledge Database (iAME)(ICHARM同窓会メタ知識(知識のための知識)データベース)、ICHARM Alumni webinar(ICHARM同窓会ウェビナー)についてディスカッションを行いました。

 この後、参加者は再び一同に会して、在校生が卒業生に質問するセッションに参加しました。在校生からは、卒業後にICHARMとのつながりが仕事にどのように影響したか、といった具体的な質問がありました。

 続いて、各グループのディスカッションの結果がファシリテーターから報告され、iAMEに格納するデータの種類や利用主体、ICHARM Alumni webinarの開催頻度・方式を全員で議論しました。

 最後に閉会挨拶を行ったICHARMの小池俊雄センター長から、参加者による熱意ある議論への感謝の言葉と、新たな取組としてテーマ別ウェビナーを立ち上げたいとの意向が示されました。

 本セミナーによって、ICHARM、卒業生、および在校生のそれぞれの繋がりが一層深まるとともに、今後のそれぞれの活動に大きく資することが期待されます。

クマール・ジャー本部長の開会挨拶来賓挨拶を頂いた高橋JICA筑波所長、大田GRIPS学長 来賓挨拶を頂いた高橋JICA筑波所長、大田GRIPS学長 開会挨拶を行う藤田理事長
来賓挨拶を頂いた高橋JICA筑波所長、大田GRIPS学長
開会挨拶を行う藤田理事長
基調講演を行うアマニ部長 閉会挨拶を行う小池センター長
基調講演を行うアマニ部長
閉会挨拶を行う小池センター長
集合写真
集合写真

<参考>
修士課程「防災政策プログラム水災害リスクマネジメントコース」(JICA研修「洪水防災」)

 GRIPS及びJICAと連携し2007年度から実施。本プログラムは、各国の行政機関の職員を対象とし、1年間で修士の学位を取得できる特色を有する。2024年2月までに36ヶ国182名の修了生を輩出し、現在13名がICHARMで学んでいる。

博士課程「防災学プログラム」

 GRIPSと連携し2010年度から実施。水関連災害リスクマネジメントの政策立案と、その実行においてリーダーシップを発揮できる専門家の育成を目的としている。2024年2月までに8か国17名の修了生を輩出し、現在10名がICHARMで学んでいる。



[別紙]
Follow-up Seminar for ICHARM Alumni
8:00 - 11:30 (UTC), 9:00 - 12:30 (CET), 17:00 - 20:30 (JST), Tuesday, February 13th, 2024
Agenda
1. Opening (15 minutes)
17:00 – 17:05 Mr. TAKAHASHI Makoto, Director General, JICA Tsukuba at Japan International Cooperation Agency
17:05 – 17:10 Pres. OTA Hiroko, President, National Graduate Institute for Policy Studies (Video message)
17:10 – 17:15 Dr. FUJITA Koichi, President, National Research and Development Agency Public Works Research Institute
2. Keynote address (30 minutes)
17:15 – 17:45 Dr. Abou Amani, Director of the Division of Water Sciences and Secretary of the Intergovernmental Hydrological Programme, United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization (UNESCO)
Focus Group Discussion (75 minutes)
18:00 – 18:20 Explanation from ICHARM (20 minutes)
18:20 – 19:15 Group Discussion (55 minutes)
In the group discussion, alumni discuss the following two topics.
・what kind of information alumni need into the Icharm Alumni MEta Knowledge Database.
・Local issues faced by alumni who would like to discuss in the ICHARM Alumni webinar

Group1 DRR, Group2 Sediment, Group3 Meteorology, Group4 Hydrology
4. Interaction between alumni and current students (35 minutes)
19:20 – 19:55 Question and answer session
5. General Sharing of Group Discussion (30 minutes)
19:55 – 20:25 Facilitators report their group’s discussion in 2 minutes
6.Closing (5minutes)
20:25 – 20:30 Prof. KOIKE Toshio